2016.12.06自動ブレーキ
進んだ距離は①+②の合計で1.667mです。初速は40Km/h終速は36.07Km/hです。
①(40-36.07)÷3.6×t÷2+(36÷3.6)t=1.667
=1.092t÷2+10t=1.667 0.546t+10t=1.667 t=1.667÷10.546=0.158
ブレーキが掛かり始めてから0.158秒、発見してからは0.75+0.158=0.908秒という事になります。
結論:フットブレーキでは発見してからわずか0.908秒後に、時速36.07Kmで衝突することが解ります。
2、自動ブレーキの計算
自動ブレーキには空走時間はありません、ほぼ0です。よって空走距離もありません。
あるのは制動距離だけで、これはフットブレーキも自動ブレーキも同じです。
フットブレーキの計算で8.998mと出ています。
10mー8.998m=1m
10m手前で発見すれば自動ブレーキなら、1m手前で停止できるのです。
ここだけは、人間には絶対出来ない事です。
発見と同時に、空走距離なしですぐ停まる、自動ブレーキは最強の安全システムです。
ブレーキシステムと比べたら、他の補助システムは、お遊びといっていいでしょう。
まず自動ブレーキ、これを推進することが、交通安全社会に進む近道と思う。
高齢運転者の問題解決にも、かなりの部分で効果はあると思う。
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10m手前に物が飛び出しても、自動ブレーキの車は1m手前で停止出来ます。
でも人がブレーキで止めようとしたら、時速36Kmで衝突してしまうのです。
時速40キロ、道路は乾燥アスファルトとして計算した場合
これが自動ブレーキの凄さなのです。
肝は、空走距離にあります。
フットブレーキの空走距離は8.33m、ここでは空走距離を解っているという前提で進めます。
それに対し、自動ブレーキは空走距離0mなのです。
1m前で停止と時速36Kmで衝突は、びっくりする結果なので、計算手順と計算式を開示します。
興味のある方はお付き合いください。
そして間違いなど見つけましたら、どうぞお教えいただきたいと思います。
私は代理店、見よう見まねの計算です。
参考文献:山崎俊一著 交通事故解析の基礎と応用
牧野隆著 捜査官のための交通事故解析 第2版
計算条件:時速40Km 摩擦係数a 0.7 重力加速度g 9.8m/s2 空走時間0.75秒
速度・時間・距離の公式を使って計算しています。
また√2agsと書いた場合は、2ags全体に√が掛かっていると、解釈して下さい。
1、まずフットブレーキの計算
空走時間は0.75秒と言われていますから、それから空走距離を出す。
(40÷3.6)×0.75=8.333m カラ走り、無駄走りです。
(10m―8.333m)衝突まで1.667mしかありません。
そしてブレーキが効き始め、停まるまでの距離は
S=v2/2agの公式に当てはめ、(40÷3.6)2/(2×0.7×9.8)=8.998m
停まるまで8.998m掛かるのに、残りは1.667mしかありませんから、当然衝突します。
では①衝突速度は? 衝突までの②時間は?
①衝突までに1.667m間ブレーキが掛かっているわけですから、8.998m-1.667m=7.331m。
残り7.331mで停まる筈です。
7.331mで停まる速度V=√2αgs=√2×0.7×9.8×7.331=10.02m/s
時速換算する には、3.6を掛けると36.07Km/hとなる。
この速度が1.667m間ブレーキをかけた後の速度、そして7.331mで停まる初速度、つまり衝突速度という事になるわけです。
②衝突までの時間は
ブレーキが効き始めるまでの時間が0.75秒です。
1.667m間ブレーキをかけた時間は?
この計算をイメージするために、解り易い次の図を添付します。
これは自作で、裁判所に証拠として提出した準備書面の添付資料です。
この図はTが解っている場合の距離の計算に使ったものですが、今回は距離が解っているので時間を出すために使います。